新薬開発におけるハイリスク・ハイリターンのビジネスモデルの研究

リーダー 岩崎幸司


「新薬開発におけるハイリスク・ハイリターンのビジネスモデルの研究」会の活動が始まる

製薬業界の研究開発に寄与するプロジェクトマネジメントの研究会を組織し、製薬各社が抱える新薬開発に関するプロジェクトマネジメントの方法や事業性評価の手法などを研究することにより、製薬業界の開発の国際競争力の強化に寄与していこうと考えております。

 製薬会社の研究開発は、開発に10年を要し、数10億円から数百億円の費用を必要とします。開発プロジェクトとして組織化して、進められるようになってからも10個の開発プロジェクトのうち、9個は途中で製品化されないで中止になるという、典型的なハイリスクハイリターンのプロジェクトです。

 開発の途中で、継続か中止かの評価判断を加えながら進められていきます。このように、製品開発のプロジェクトにおいては、継続か、中止かの判断を技術的側面、経済的側面などから評価しながら進めていく必要があります。プロジェクトマネジャーには、このような技術のリスクや経済上のリスクを読みながらプロジェクトを推進する力が要求されることになります。

 研究会の参加者は、国内の大手の製薬会社で実際に開発プロジェクトの関与している人たちとハイリスクハイリターンのプロジェクトマネジメントを研究している学者などにより構成されています。そこでは、プロジェクトマネジャーの役割、評価方法、リアルオプションなどについて議論されています。

 2月に立ち上げて、月に1回の会合を中心として進められ、既に2回の会合を持っています。まずは、製薬業界で求められる研究開発のプロジェクトマネジャーに求められる役割を明確にしながら、どのようなプロジェクトマネジメントを行なえば、最も効率的なプロジェクトの推進が出来る科などを議論していきます。主査は、武田薬品工業の開発部の岩崎さんです。

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