トピックス 〜P2Mの先進性と発展について〜
vol.13 2020年度の新任役員2人が就任の抱負を語る
〜久保裕史副会長、武富為嗣評議員会議長〜
一般社団法人 国際P2M学会 広報委員会
2020年5月24日に開催された年次総会に於いて、次の2人の方が新しく本学会の役員に選出されましたので報告いたします。
副会長 久保裕史 公益社団法人JAPAN of ASIA 代表理事 (学会理事)
評議員会議長 武富為嗣 コーポレート・インテリジェンス(株)代表取締役社長 (学会評議員)
お二人は これまでP2M理論の研究及び普及にご尽力頂いておりますが、今後とも学会活動における一層のご活躍を期待しております。
つきましては、ここで就任のご挨拶を兼ねて新任の抱負を頂戴しておりますのでご紹介させていだきます。
● 国際P2M学会副会長に就任して 久保裕史
この度,国際P2M学会の副会長という大役を仰せつかり,その重責に身が引き締まる思いです。
私のP2Mとの関わりは,8年前に千葉工業大学で産官学共同の「R&D PM研究会」を立ち上げて以来です。
R&Dを起点とするイノベーション創出に,P2Mの知識体系は不可欠です。
また,現在のデジタル化とグローバル化の二大潮流に加え,今後の様々な社会的危機の克服に,P2Mの果たすべき役割はさらに大きく広がっていくことでしょう。
微力ながら,P2Mの知識体系構築と普及発展に全力を尽くして参りますので,引き続きご支援のほど,よろしくお願い申し上げます。
● 国際P2M学会評議員会議長に就任して 武富為嗣
この度,国際P2M学会の評議員議長という大役を仰せつかり,その重責に身が引き締まる思いです。
私のP2Mとの関わりは,アメリカのプロジェクトマネジメント標準のPMBOKに対抗する日本のプロジェクトマネジメント体系を構築するという経済産業省のワークショップが最初です。そこから、プロジェクト&プログラムだから、Pが2つのMにしようとしたところです。その後、一緒に色々とやってきました。
P2Mは、発注者側の視点、投資家の視点でのマネジメントになります。ですので、新事業開発、研究開発投資やデジタルトランスフォーメーション、M&Aなどのマネジメントでも求められております。これらに対応できる世に知識体系を整備していくことが求められております。
微力ながら,P2Mの知識体系構築と普及発展に全力を尽くして参りますので,引き続きご支援のほど,よろしくお願い申し上げます。
Date: 2020/2/22(Mon)
vol.12 3人の新任役員が就任の抱負を語る
〜亀山秀雄副会長、山本秀男副会長、淺田孝幸評議員会議長〜
一般社団法人 国際P2M学会 広報委員会
2013年4月20日に開催された年次総会に於いて、次の3人の方が新しく本学会の新役員に選出されましたので報告いたします。
副会長 亀山秀雄 東京農工大大学院教授 (学会理事、MOT連携委員会委員長)
副会長 山本秀男 中央大学大学院教授 (学会理事、前評議員会議長、能力形成委員会委員長)
評議員会議長 淺田孝幸 立命館大学経営学部教授(学会評議員、国際委員会委員長、MBA連携委員会委員長)
3氏の方々には これまでP2M理論の研究及び普及にご尽力頂いておりますが、今後とも学会活動における一層のご活躍を期待しております。
ついては、ここで就任のご挨拶を兼ねて新任の抱負を頂戴しておりますのでご紹介させていだきます。
● 亀山秀雄 副会長
この度、副会長を仰せつかり、身の引き締まる思いでおります。
学会創立10周年を平成27年に控えて今後どのように学会を発展させていくかを考えて行きたいと思います。
私が考えます国際P2M学会の役割は、一言で言えば、P2M理論体系構築と普及拡大であります。
そのために次の10のアクションがあると思います。
@学問として発展過程にある内容を整理するとともに、新しい要素を取り込み発展させる
A具体的な応用事例を集めて、学問としての有効性を検証する
B年会、春・秋季研究大会の他にもP2M理論に関する発表と議論の場を積極的に設ける
CP2M理論の研究者、活用者の人的ネットワークを形成する
DP2M理論の講習の場を提供し、資格試験制度を推進する
E他の学問分野との交流によりP2M理論の他分野への展開を図る
F論文賞、学会賞を設定する
GP2M理論を用いた学術論文誌を電子ジャーナル化する
H学会機関誌「プログラムマネジメント」を発行し、普及啓蒙を図る
IP2M理論を国内標準そして国際標準にするように働きかける
最後の2つの課題は、大きな労力が必要になり現在の運営体制では困難かと思いますが、これができるようになれば学会としてさらに発展していくと思います。皆様のより一層のご支援をお願い致します。
● 山本秀男 副会長
初心者が熟達者になるためには、単に多くの知識を覚えるだけではなく、臨機応変にどのように考え行動すれば良いかを知らなければならない。
国際P2M学会は、理工学と人文社会学の思考方法を融合し、創造的なプログラムをどのようにマネジメントしたら良いかを研究する場である。
創造性を発揮するためには、分析的な思考に加えて、多くの事例の背後に隠れた法則を見つける帰納的な類推や、
全体像をイメージする思考が重要となる。工学部出身の実務家であった私は、本学会において認知科学に基づく発想法や経営学の考え方を学び、
新しい知見を得ることができた。
実務界と学術界との架け橋の役割も果たす本学会の発展に、まだ初心者の域を出ない私ではあるが、微力ながらも貢献したいと考えています。
● 淺田孝幸 評議員会議長
このたび、評議会議長への就任を吉田会長から要請いただき、改めて国際P2M学会での活動に一層努力をしていきたいと思う所存です。
学会の開設以来、様々な経験をこの学会を通じてさせていただき、改めて、学際的・実践的な研究分野として、
プロジェクト・プログラム・マネジメントから得られて知見を一層、活用し実学の世界における経営モデルとの融合について、
研究と実践への関わりに学会を通じて、会員の皆さんとともに進めていきたいと思っております。
議長の役割・使命については、まだ十分に理解しておりませんが、
会員の皆さんと意義のある学会活動を相互学習しながら進めていきたいと思っておりますのでどうか、宜しく御願いします。
Date: 2013/7/16(Tue)
vol.11 第3回学会連携コングレスの報告
〜研究開発のプログラムマネジメント〜
一般社団法人 国際P2M学会 小原重信(文責)
平成24年11月24日土曜日13:00から17:00、国際P2M学会は、化学工学会、日本開発工学会の協賛を得て、
第3回三学会連携のコングレスを日本工業大学専門職大学院神田神保町キャンパスで開催した。
わが国は科学・技術立国を標榜しており、今回は研究開発をプログラムマネジメントの視点をテーマにおける新事業創造を中心に講演と質疑応答が行われた。
(講演される桑原裕講師)
● 主催者挨拶
国際P2M学会会長の吉田邦夫東京大学名誉教授は、化学工学が単位操作からプロセス工学へと発展したようにP2M理論も進化している。
わが国産業は、潜在力を持つがこの20年間、ものづくりにおける研究が事業成果に必ずしも結実していない。
今こそ研究開発の成果を新産業創造に開花させることが重要である。
先週、日台韓中心メンバーであるアジア化学工学会議が台湾で開催されたが、13年目を迎え政治摩擦を超えて益々交流を深めている。
わが国の一人当たりのGDPは、アジアでもシンガポール、台湾にも抜かれたが、日本の社会インフラはまだ強みがある。
学会活動もアジアと交流を深めて共存共栄が重要である、と挨拶があった。
報告内容の詳細はこちらをご覧下さい。
http://www.iap2m.org/pdf/201211report.pdf
ご参考;コングレス開催案内。
http://www.iap2m.org/xxsmallcongress.html
Date: 2012/12/4(Tue)
vol.10 本学会会員で理事の亀山秀雄教授が水素エネルギー協会会長に就任される
一般社団法人 国際P2M学会広報委員会、事務局
本学会の亀山秀雄東京農工大学大学院教授が水素エネルギー協会の会長に就任されました。
水素は無公害エネルギーとして世界的に注目されています。日本政府も水素エネルギーの輸送と貯蔵に期待しています。
先端技術や知見を成果として獲得するには、教授が強調される「あるべき姿」の将来像から課題を設定するP2Mの先端的なバックキャスティングを一覧化して、
利害関係者に説得できるロジックモデル、バランススコアカードの複合スキルが重要です。
先生はその提唱者として学会をリードされています。先生は「水素エネルギー協会」と「燃料電池」など専門誌の巻頭言を執筆されています。
本学会は化学工学会、日本開発工学会と協賛して、コングレスを開催しておりますが我が国がアジアへ新規事業、プラント建設、大学教育、技術移転に有意義と考えて、
ご趣旨をご紹介いたします。
国際P2M学会副会長 小原重信(文責)
亀山秀雄教授
巻頭言の内容
日本政府は、9月14日「革新的エネルギー・環境戦略」の報告を行った。その中で、新しい戦略は、
省エネルギー・再生可能エネルギーといったグリーンエネルギーを最大限に引き上げることを通じて、原発依存度を減らし化石燃料依存度を抑制することを基本方針とし、
これまでの広く多様な国民的議論を踏まえ、次の3本柱を掲げている。
第1の柱は「原発に依存しない社会の一日も早い実現」。第2の柱が「グリーンエネルギー革命の実現」。
第3の柱は「エネルギーの安定供給」である。第1の柱については、第2の柱と第3の柱が支え切れるかどうか、
レジリエントな社会にとって頼れる柱になりうるのかも含めて今後多くの論議を呼ぶと思われる。第2の柱である「グリーンエネルギー革命の実現」については、
世界のこれからのエネルギー問題の上で重要なミッションであるということは異論が無いと思う。
この大きなミッションを実現するためには、日本で開発されたプロジェクト&プログラムマネジメント(P2M)の適用が有効である。
その特色は、戦略にリンクした「イノベーション」の実行管理である。イノベーションは、難題が多いので、企業にはそのミッション活動をうまく管理できる人材は少ない。
なぜなら、曖昧性の高いミッションには「多義性」、「複雑性」、「拡張性」、「不確実性」含むからである。この曖昧なミッションを出来るだけ形式化して、
マネジメントを可能にする方法が、P2Mである。技術やそれを使う人材や社会構造はすぐには生まれない。日頃から様々な可能性を研究し技術を鍛え、人材を育成していく必要がある。
このことはレジリエンスな技術社会のためには必要なことである。
Date: 2012/09/28(Fri)
vol.9 「トピックス」2012年度秋季研究発表大会の報告
一般社団法人 国際P2M学会 大会事務局
2012年9月15日に東京農工大学小金井キャンパスにおいて、2012年度秋季研究発表大会が盛大に開催された。
今回は、大会テーマとして「ビジネスモデルとP2Mによる社会貢献〜グローバル時代における新しい事業形態を探る〜」を掲げ、午前の部では、
4つの会場で個別研究発表と活発な質疑応答があり、午後の部では、基調講演とそれに引き続きパネルディスカッションが行われた。
吉田邦夫国際P2M学会会長の挨拶の後、基調講演は、柴原誠氏(住友商事株式会社、元専務執行役員、顧問)より、
テーマ「総合商社のビジネスモデル―優れた日本企業のプログラムマネジメントに学ぶ―」で行われた。
講演では、「総合商社」という国際的にも他に類を見ない特異な業態の紹介から始まり、70年代の「総合商社不要論」その後の「商社冬の時代」を経て、
最近の20年で総合商社は、従来の貿易・国内取引から事業投資活動に大きくシフトし、「総合事業会社化」と言われるビジネスモデルに変貌してきた歴史の概説があった。
90年代以降のビジネスモデルの変化は、その後の総合商社のリスクの評価やリスクを取る決断はもとより、商社の人間すべての態度や行動を根本的に変えたことを強調した。
これは、総合商社は一般企業に比べフラットな組織で、大規模投資案件はチームリーダークラスによる企画・発案が多いという特性から来ているとも述べている。
そして個々のプロジェクトの収益性と様々なプロジェクトの全社的なポートフォリオの間のベストなバランスをとるという経営努力は、
国際P2M学会で理論的に研究されているプログラムマネジメントの概念と重なるところがあるとの指摘があり、聴講者一同、プログラムについて再考させられるものがあった。
ワークショップパネル討論(成功するプロジェクト型のビジネスモデルを探る)では、モデレーターとして山根里香氏(東京理科大学経営学部講師)
、パネリストは基調講演者の柴原誠氏、光藤昭男氏(日本プロジェクトマネジメント協会理事長)、新井信昭氏(東京農工大学客員教授、弁理士)が参加して行われた。
モデレーターより、P2Mの視点から「組織構造」、「人材」、「マネジメントの手法」という3つの項目に焦点を当てる論点整理のプレゼンがなされた後、
三人のパネリストがそれぞれの項目についての見解や意見や疑問を提示して、優れた提案の創造にどう貢献するのかについてのディスカッション並びに
会場の参加者との活発な意見交換が行われ、今大会は今後に繋がる有意義な討議で無事終了した。
尚、大会の詳細な報告は、筑波大学名誉教授の宮尾尊弘先生(南カリフォルニア大学客員教授、国際教養大学客員教授)のブログにて情報発信されています。
http://glocom.blog.so-net.ne.jp/2012-09-15
Date: 2012/09/20(Thu)
vol.8 本学会評議員:浅田孝幸氏は日本管理会計学会会長に選出される
一般社団法人 国際P2M学会広報委員会、事務局
● 国際P2M学会との関係
浅田孝幸(あさだたかゆき)氏は、本学会が創設された2006年10月以来、理事(国際委員会担当)として活動された。2011年4月学会は一般社団「国際P2M学会」に改組され、
現在は評議員として活躍されている。2007年から2010年まで「経営・経済視点でみたP2Mを適用した環境リスクソリューション講座」
(大阪大学大学院経済学研究科と工学部共催で開講した)実績がある
(講演される浅田孝幸立命館大学教授)
● 研究活動
2011年4月まで大阪大学大学院経済学研究科に所属されていたが、同年4月より立命館大学経営学部に勤務されている。
ご専門は管理会計学であるが、経営戦略、マネジメント、技術経営、環境経営に至るまで、幅広い研究をされている。
● 日本管理会計学会会長に選任される
浅田孝幸氏は、日本管理会計学会に2011年4月選出され3年間の任務にあたる予定である。
同学会は、1991年7月に東京理科大学名誉教授の片岡洋一先生を中心に設立され22年目となる。
その主な学会としての研究領域は、管理会計、財務会計分野であり、それ以外に、
簿記理論、国際会計論、監査論、経営分析論、原価計算・原価管理・原価企画論、非営利組織会計、会計実務事例などが主な対象である。
学会事務局は下記のとおりです。
:滋賀県草津市野路東1−1−1 立命館大学経営学部 淺田研究室
学会HP http://www.sitejama.org/
asada@fc.ritsumei.ac.jp
Date: 2012/06/14(Thu)
vol.7 グリーン・プロジェクトマネジャーの活動報告
〜海外赴任に伴う国際化への活動に期待〜
一般社団法人 国際P2M学会広報委員会、事務局
当学会認定の環境プロジェクトマネジャー、沖浦文彦氏(所属JICA)が6月にベトナムに赴任(予定)され国際協力事業で活躍されます。
トピックスとしてご紹介いたします。 (一般社団法人 国際P2M学会広報委員会、事務局)
(写真:JICAホームページより)
学会会員で環境プロジェクトマネジャー資格認定者の沖浦文彦氏は、直近まで独立行政法人 国際協力機構(JICA)の地球環境部 水資源・防災グループ 水資源第1課長として
開発途上地域の経済・社会の開発、成長、特に水資源問題の開発・安定に関わる国際協力事業に従事される傍ら、
当学会の環境資格も取得されるなど、環境問題への取り組みに参画されてきました。
この6月からJICAのベトナム事務所に、業務担当次長として赴任される予定になっています。
ベトナムでは、当該地域の持続的発展と調和を図りながら、さまざまな分野(環境管理、気候変動、防災、水、保健、地域開発、人材育成などの多様な分野)に
対する技術協力、資金協力での支援業務に携わるとのことです。
当学会は、グローバル化の潮流に向けて、アジアでのP2Mの研究、教育、普及にこれから取り組むことを企画しており、
その重点候補国の1つとしてベトナムが挙げられています。
この機会を活かしてJICA等の関連機関と何らかのアライアンスによるP2Mの研究、 普及の国際化が進むことが期待されます。
赴任予定先
JICA VIETNAM Office(JICAベトナム事務所)
16th Floor, Daeha Business Center, 360 Kim Ma Street, Ba Dinh District Hanoi, VIETNAM
Tel;+84-4-38315005 Fax;+84-4-38315009
http://www.jica.go.jp/vietnam/index.html
Date: 2012/05/16(Wed)
vol.6 東日本大震災復興・復旧プロジェクト関連
〜震災被災地の漁港復旧工事における日程管理ツールの活用〜
株式会社ウェッブアイ 代表取締役社長 森川 勇治
国際P2M学会の会員である株式会社 ウェッブアイ森川勇治様から
復旧工事にP2M(Project & Program Management)を適用した活動報告がございました。
トピックスとしてご紹介いたします。 (一般社団法人 国際P2M学会 広報委員会、事務局)
2011年3月11日の東北東日本大震災(地震・津波)により、日本有数の漁獲高を誇る東北地方の多数の漁港関連施設において、甚大な被害が発生した。以下はそのほんの一部であるが、早期に地域復興を実現するためには、まずは一日も早い復旧が不可欠である。
この復旧工事は、地区毎に複数の工区、さらに現場の単位で、施工会社が担当するが、
これらを監理するための仕組みなしには、工事の円滑、迅速で効率的な実施はおぼつかない。この仕組みこそが「プロジェクトマネジメント」であり、これによって個別の工事、工区毎、地区毎に統合して進捗をみること(見える化)と対策実施が可能となる。
プロジェクトマネジメントに求められる要件は、監理担当者が容易に計画を立案し、かつ的確に進捗管理を行うこと、さらにこうした計画を簡単に統合してみることにより、
必要な調整をタイムリーに行うことを可能にすることであり、これを実現するには、
最適なプロジェクトマネジメントルールの適用が不可欠である。
ウェッブアイのP2M情報プラットフォームである工程'sとプレガーレはこうした要件を満たすツールとして選択されたものである。
今回のように、想定外のさまざまな状況がアトランダムに発生する現場においては、各担当の負荷を出来るだけ軽減して運用できるシンプルな仕組みが必須要件である。
そのために各担当は工程'sによる進捗管理のみを所掌することとし、進捗を反映した工程表を拠点に集め、拠点担当者により全体調整を行うこととした。ここでの調整に基づいて、拠点担当から各担当に対して対策指示がされる仕組みとしている。
・ウェッブアイのP2M情報プラットフォーム:
工程’s−主に計画担当および現場担当が利用する、機能・操作性に優れたGUIベースの
日程計画ツール
プレガーレ−計画の見える化を促進するため、データベースを持つWebベースの
情報プラットフォーム
このツールは、プラント建設、建築といった工事管理、そしてソフトウェア開発管理、
そして製造業における、生産準備プロセス、製品開発管理、一品受注型生産管理など
幅広い業種において、多岐にわたる適用分野で利用されている。
Date: 2012/05/11(Fri)
vol.5 グローバルな環境ビジネス創造と次世代リーダー期待される
〜アジア・アフリカ学生の大学院におけるP2M授業と実践〜
一般社団法人 国際P2M学会広報委員会、事務局
東京農工大大学院(東京大学吉田邦夫名誉教授学会会長、東京大学 鎗目 雅 准教授、東京農工大学大学院亀山秀雄教授、小原重信客員教授など)、
は、文部科学省の支援のもと2011年平成23年度から、英語による現場実践型リーダー育成の授業を開始して2年目を終了し注目される。
その理由は、日本発信のP2M~Project & Program Managementを適用して環境問題に取り組んだことである。
P2Mは、経済産業省とエンジニアリング協会の奨励により開発されたガイドである。
したがって、教育活動は、日本の知恵と風土を世界に発信することになる。
1992年のリオ会議で確認された「持続可能な発展」を現実的な「プロジェクトやプログラム」に企画立案し、実行管理できる現地立脚型リーダー育成が4期待されている。
環境産業の事業領域は、再生可能なエネルギーの活用、省資源・省エネルギー、廃棄物回収・再利用、公害防止など実に多様である。
2009年12月のCOP15コペンハーゲン会議では、低炭素社会の実現が緊急テーマとなったが、低炭素社会の実現は、産業の成長を目指す上国にとって、「成長と環境の両立」は、苦しく「高いハードル」となる。
本講座は、その克服を担う環境リーダー育成のために、Policy~Program~Projectの整合視点により、ステークホルダーの調和を図りながら、環境ビジネスの創成と実行力を養成する。
そのために、我が国と新興国、途上国間の産業、産業、企業あるいは連携による環境ビジネスの実例や紹介を重視して、多様なゲスト講師を招請する。その特色は
1.環境産業の多様なビジネスの領域における実践事例を紹介する。
2.P2M理論のフレームワーク、知識、ツールで理解を深めて、応用力を高める。
3.環境ビジネスモデルと技術ソリューションの巧みな結合を意図して説明する。
Date: 2012/02/10(Fri)
vol.4 P2M理論が化学と環境系の大学院講義で注目される
〜3年目を迎える東京農工大学大学大学院講義〜
社会人専門職大学院学生と修士学生が深い交流が効果を挙げる
次世代リーダーを育成することで産業界の関心が集まる
一般社団法人 国際P2M学会広報委員会、事務局
化学産業を取り巻く我国の経営環境は、激変している。原料立地国でのコモディティ生産、新興国の技術キャッチアップ、海外生産シフトなど、
企業は「生き残り戦略」を模索して、大規模な海外生産拠点や研究開発領域で「難度の高い実行」に移している。
定常組織で活躍してきた専門領域の「伝統的産業リーダー」人材は、横断チームが編成されてもラディカルな打破は難しい。
プロジェクト経験者も技術に関心が傾斜しがちで、新しいビジネスモデルを創りだすことは難しい。
実行リスクや失敗を防止し、企業発展を推進するには、中長期の「新世代リーダー」の教育と人材育成制度が必要である。
P2Mプロジェクト・プログラムマネジメントは、現場とミドルから「イノベーションテーマ」を実行できるリーダー人材の段階的育成を目指す。
例えば、小規模な技術システムの目標管理から始めて、難度の高いビジネスモデルを含むミッションからソリューションを考案して、
海外事業の展開、製品の高度化、研究開発などで「期待成果」を実現できるプログラムマネジャー人材である。
東京農工大学大学院で、亀山秀雄教授と小原重信客員教授が担当する化学P2Mプロジェクト・プログラムマネジメントは、
将来に向けてその「全体フレームワークを概説し」、詳細学習、資格取得に向けて「動機付ける」ことを目的とする。
P2M方法論は、次の2点で「特色」がある。第1に、複雑な問題解決に、我国が誇る「固有の知的マインドや慣習」が反映されている。
例えば、顧客要求の徹底追求の精神、先端技術の消化・工夫、チームワーク協働、ビジネスにおける信頼尊重などが組織の根底にあり
馴染みやすい。第2に、グローバル化への適応である。「ものづくり」「仕組みづくり」という我国固有の知見に「システム発想や方法論」を
導入し、産業文化の異なる企業連携や外国企業との協働を可能にする。
さらに、グローバルなコンセプトであるストラテジー、プログラム、プロジェクトの「コンセプト」を導入して、知識と知見を共有できる点である。
受講生は化学と化学工学専攻であるが、「広い視野と高い視点でイノベーションに取り組む」には、他産業や学際知識を学習する方が有効である。
したがって、本講義内容は、化学産業や専門知識や事例に特化する方針は採用しないで、技術シーズや知識の事業応用力を高めることを方針としている。
Date: 2012/02/10(Fri)
vol.3 IT企業におけるP2Mの活用
−サービスインテグレータへの変革の礎― <日本ユニシス株式会社>
日本ユニシス株式会社 技術統括部長 白井久美子
P2Mは発表以後10年が経過し、その活用領域はさまざまな産業分野に拡大し浸透しつつある。
日本ユニシスグループは、2002年よりP2MのPMS資格取得を推進し、現在約900名の合格者を保有する。
当初、受験者の多くはシステムエンジニアで占められていたが、近年ではコンサルタントや営業職、スタッフ職も多く受験する傾向にある。
ユニシスグループは、現在約10000名の社員が在籍しているが、過去からのPMS受験延べ人数は2000名以上にのぼる。
なぜこれほどまでにPMS取得が普及しているのか?その実情に至った背景や現状について紹介する。
日本ユニシスでは、過去米国ユニシス社から導入したTEAMMethodというPMBOKベースのプロジェクトマネジメント手法が標準的に使用されてきていた。
システムインテグレータ(SIer)として受注プロジェクトを実施する上で、当該プロジェクトマネジメント手法になんら不都合はなかった。
しかしながら、昨今、SIerとして下流の構築部分だけでなく上流から下流までをワンストップで請け負えるよう業態を拡大し、
顧客に対し新しいビジネスモデルを構想・提案し、そのビジネスで必要とされるシステム構築やサービス提供を行い、
さらには稼動後のビジネス運用やシステム運用までをもパートナーとしてサポートするには、前記の手法では何かが足りなかった。
その足りないものを補完すべく顧客価値創造のビジネスフレームワークをうまく表現しているP2M、
特にプログラムマネジメントの考え方に学びを得るためにPMS取得が進んだ経緯がある。
従来SIerに求められた役割は、システム構築に代表される「もの価値」の提供をすることが中心であった。
しかしながら、昨今では顧客のパートナーとしてともにビジネススキームを見つめ、構想し、その実現手段をスピード調達し、
サービスとしてくみ上げていく「サービス価値」の提供をも求められる「サービスインテグレータ」としての役割へと変わりつつある。
日本ユニシスは従来のシステムインテグレータから戦略的パートナーシップを発揮するサービスインテグレータへと現在変革を遂げつつある。
仕事の在り方も進め方もシステムインテグレーションからサービスインテグレーションへとパラダイムシフトしている。
ベンダやSIerにありがちなテクノロジ価値中心主義から顧客と目線を同じくしたビジネス価値中心主義(テクノロジ価値提供はコモンセンス)へと
変わる企業革新が進行中である。
P2Mには、プロジェクトマネジメントの上位概念であるプログラムマネジメントという概念が最初から組入れられており、
このマネジメントフレームをサービスビジネス推進の現場で活かしていきたいと考えている。
P2Mのカバーするスコープ(スキーム、システム、サービス)は、サービスインテグレータのビジネスの主戦場となるスコープと合致している。
プログラムマネジメント力に磨きをかけることが、サービスインテグレータとして変革を遂げる日本ユニシスグループの信用と実績を支え、
競争優位源泉の1つになると確信している。
Date: 2012/02/10(Fri)
vol.2 「大学教育現場におけるP2Mの応用」
千葉工業大学社会システム科学部 西尾 雅年
P2Mへの出会いは今から4年前、小原先生から当時のPMCC(プロジェクトマネジメント資格認定センター)のプロジェクトマネジメントコンピテンス分科会への参加の誘いを受けてからである。同分科会に参加している途半ば、あるとき突然P2Mの価値と可能性に目が開かれて、それ以来P2Mへの関心は急に高まっていったことを記憶している。
日本発信のPM知識体系であるP2Mは単なるPM知識に止まらず、取り組み次第では日本再生の武器にもなり得ると思っている。
すでに「大学教育現場におけるP2Mの応用」と題してP2M学会記念論文集創刊号の中でも紹介したが、大学にも多くのP2Mを生かす機会があるように思われる。最も大きな応用可能性は大学改革に適用することであると思っているが、これは残念ながら大きな壁を感じている。
小さいところからと自ら担当する授業をプログラムとみなし、P2Mのコンセプトを極力生かすところから取り組んでいる。
第1回の春季研究発表大会にも「P2Mに基づく教育プロジェクト事例」と題して、学生主体の教育プロジェクトデザイン事例を発表した。
これからも若い学生にP2Mを学び、実践するする機会を与え、P2Mの発展に貢献したいと思っている。
vol.1 「P2Mによるマネジメント・コントロール」
明治大学経営学部 鈴木 研一
マネジメント・コントロールとは、「組織の戦略を実行するために、上位のマネジャーが下位のマネジャーに影響を与えるプロセス」である。これまで、方針管理や予算管理がマネジメント・コントロールを担ってきた。しかし、グローバル化やIT革命の進展によって環境変化が加速化する中で、これらの限界が指摘されるようなり、今、それを乗り越える仕組みとしてP2Mへの注目が集まっている。この背景には、P2Mが、戦略が求める変革に向けての組織的行動を引きだす先進性を有すると考えられていることがある。その際立った先進性は、戦略遂行プロジェクトを全体として捉えるプログラム統合マネジメントに見いだすことができる。具体的には、全体使命からプロジェクト生成への展開を促すプロファイリングマネジメントやプログラム戦略マネジメント、アーキテクチャマネジメント、ともすれば組織における利害対立の中で孤立する戦略遂行プロジェクトチームの内発的意欲や創発的学習を促すプラットフォームマネジメント、そして、プロジェクト統廃合をとおして刻々と変わる環境変化への柔軟な対応を促すプログラムライフサイクルマネジメントなどである。今後、P2Mは、様々領域において適応されていくと考えられるが、変革に向けての戦略遂行のためのマネジメント・コントロールの仕組みの中核として発展することは間違いない。